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藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#9呼吸

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失恋したり、ストレスなどによってネガティブの感情に捕われてしまっている時、呼吸は浅く速い。十分な酸素が血液に行き届かなくなり、生命力・免疫力は弱まり、心身ともに生物として不調な状態になっている。こういう呼吸が日常化してしまっている人は、健康を取り戻すために、もしくは大病を未然に防ぐために修正が必要だ。逆に深い豊かな呼吸を常にしている人は、精神的に安定し、体力も充実し、生命として真っ当な状態にあると言える。
ならば、呼吸を意図的に正せば、心も身体も良い状態に導けるはずだが、こんなにあっけない答えがあるだろうか。
実は、これが正解であり、人類は紀元前からこのことに気づいていた。たとえば、ブッダ。彼は呼吸によって多くを正せることを身をもって証明した人だといえる。胡座を組み、正しい呼吸をすることで、悟りを得たことを考えれば、是非真似したいものだ。
なんともあっけないが、これがとても効果的で、自分も日頃から取り入れている。ブッダが採用したメソッドなのだから、何よりものお墨付きだ。
では、正しい呼吸とは実際どういうものだろう?
呼吸と書くぐらいだから、まず先にするべきは呼気である。つまり息を吐く事。ここですでにおや?と思う人も多いと思う。まずは胸一杯に空気を吸うのが先じゃないのか?と。ラジオ体操の深呼吸も大きく息を吸ってから吐きましょうと声をかけている。だが、これは運動用の西洋式。東洋の思想では、まず吐く事をすすめている。
息を吐くというのは、静脈から老廃物など体に不要なものを受け取り二酸化炭素として体外に放出することで、つまりゴミ出し、デトックスである。それに対して、息を吸うというのは、新鮮な酸素を空気中から肺を経て取り込み、血液に与え、その酸素が動脈を通って全身に運ばれることだ。
まず、吐く。そして吸う。繰り返しになるが、この順番が大切だ。

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