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未知のビートを求め、既存の概念を超越するSIMI LAB(後編)

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ヒップホップグループ、SIMI LABの2ndアルバム『Page2:Mind Over Matter』がドロップした。バラエティに富んだトラックと、それぞれのカラーを鮮烈に出したリリックで、物質を超越し、精神世界へとコミットしている作品だ。製作過程の中でメンバー同士の不思議な繋がりを再確認し、より強固な絆を得て、アーティストとしてもう一段階上へと突入した印象。そんな良好な関係性が垣間見える、和気藹々とした雰囲気の中で様々なことを語ってくれた。

(中編より続き)

ー地道な積み重ねがプロとしての意識を作っていったと。今作にはジャズ・ミュージシャンの菊地成孔さんが参加していますが、菊地さんと関われたこともSIMI LABとしてのプロ意識を刺激したと思います。 

DyyPRIDE「変な例えですけど、菊地さんは幻覚剤みたいな感じで。ハードドラッグとかではなく、脳みそのスイッチを切り替えてくれるというか、違う回路のボタンを押してくれる。そんな感じでいいんだとか思うことがいっぱいあって。感覚が広がったというか。周りのヒップホップ業界の人に対して、つまらない枠にはまっているな、みんな同じじゃん、と思っていたんだけど、菊地さんはもっとすごく自由にやっているから、自分の中にも想像していた以上に決めつけていた部分があったのかなって。そういう枠を抜け出せました。いろいろ喋っていたら、自然と広がっていく感じがある」

MARIA「そうだね。菊地さんはサックスにしても鍵盤を弾くにしても、基礎知識がすごくて。ジャズ、ソウル、ディスコ、この音はこういうジャンルでよく使われるとか、そういうのをすぐに生み出せる人なんですよ。そんなところまで考えているんだって。以前にSIMI LABでDCPRGに参加した“MICROPHONE TYSON”という曲があって。考えたフックを伝えたときもすぐに『やりたいことは分かったよ』って。私がその曲でイメージしていたのが、ロータリー・コネクションというアーティストだったんですけど、そのイメージを汲み取ってくれて。そういうイメージが伝わる人ってあまりいなくて。菊地さんとイリジット・ツボイさんくらいかな。アイデアはあるんだけど、どうしたらいいんだろうというものを形にしてくれるんです」

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