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THE NOVEMBERS『今日も生きたね』インタビュー(中編)

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—聴こうとするか、勝手に聴こえてくるかの違いですね。

小林「そう。で、今回はどちらかと言えば耳をそばだててくれるとうれしいなと思ってたり、自分たちもそういう態度でいたいなぁ、とか。だから今回、CDの音のレベルが小さいんです。世のCDによってはすごく繊細に小さいふうに演奏してるのにマスタリングで(音の)レベルを稼ぎまくられて大音量のものっていうのも、日本の音楽には多いと思うんですよ。特に90年代のものとか。僕はそれはそぐわないところがあって、今回はどう聴いてもらいたいっていうのも音像としてよくできたと思いますね」

—すごく意図は伝わります。音像と歌詞の内容がパッと聴き乖離してるというか、ある種、衝撃的な内容なので。

小林「うん。そう思われておかしくないなと僕も思いつつも、どちらかと言うと歌詞でうたってることって、ものすごくありふれたことというか」

—そうですね。無意識のうちにわれわれの命は他の命によって維持されているというのは現実だし。

小林「そう。だから慣例とか慣習とか、刷り込まれた道徳とか思考停止気味になってることとか、考えるに値しなかったことへの……湖に小石を投げてみたら少し波紋が広がるぐらいのものしかうたってないつもりでいるんですね。だから、僕からするとホントに普通のことで、真っ当なことをうたってる印象が強くて。だから、妙に情緒的になりすぎないところとか、冷静さを保った表現をできたことっていうのが、これまでできてなかったことだと思うんですね」

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