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Chara『Secret Garden』インタビュー(後編)

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――それにしても、40代の女性でここまで自分をさらしているアーティストは、日本にほかにいないですよ。

Chara「確かに、上の世代なら加藤登紀子さんから矢野顕子までいらっしゃるけど、そのあとは抜けているのかも。でも私も、昔からずっとやってるから出来るのであって、大人になってから、ある日突然やるとなったら、それは大変ね。私の場合は言葉も一緒に成長してきて、だからこんな風に出ちゃう。それに、何かを作る人って、本当に“掘る”からね。思っている以上に自分の内面を掘って、掘って、掘って、掘って! だから色んなものが出てくるんだよ。“出てきた、こんなの!これって、いつの、何?”みたいな(笑)。それも面白い。普通はそこまで掘り下げると危なくて、精神的にダメージがあるけど、私たちは、それを音楽の力で引き戻すことが出来る。ちょっと魔法みたいな感じで。そういう職業なのよ」

――Charaさんは昔から“生涯ガーリー”という言葉をよく口にしていますが、そこも全くブレていませんね。

Chara「ガーリーって私の場合はどっちかっていうと、“純粋”という意味。“純粋”とか“真っ直ぐ”とか、そういう意味を込めてます。もちろん成長はして行くし、老いて行くし、ガーリーでありつつも、老いと共にそれは変わって行く。自分が思ってもいない方向に。“更年期後は楽しいよ”とか“おばあちゃんは楽しいよ”とか先輩たちが良く言うから(笑)、それはそれでたくさん楽しいことが待っていそうだけど、歌を歌い続けるためには、老いていく部分に合わせた準備や調整は必要になると思う。そのためにも、昔の声はもう使わずに、年をとっても歌える中声を勉強してます。中声はずっと使えるんですよ。アレサ・フランクリンもキャロル・キングも地声じゃなくて中声だし、私も音楽をずっとやりたいと思ってるから。最初は誰もいいと言ってくれる人がいない状態で始めて、親でさえ“クラシックはどうなった?”とか“芸能界なんて”みたいな感じだったけど、“いや、私には才能あるから大丈夫だよ”と言って契約したんです(笑)。そういう自分を信じる力があったのかもしれないし、音楽が好きだったから。決めた以上は一生の仕事にするっていう、ちょっと男前なところもあって(笑)。“これだ!”って確信が得られた。だって音楽ってカッコイイもん。ステージで死にたいとまでは思ってないけど、なんかもう、ここにきて“女”と“音楽”が混ざっちゃったよね(笑)」

――このアルバム・ジャケットも一見可愛らしいようで、“女”という観点で捉えると衝撃的です。

Chara「そう、よくよく見るとすごいでしょ? 甘くないの。甘過ぎないよ!」

 

撮影 吉場正和/photo  Masakazu Yoshiba

文 新谷洋子/text  Hiroko Shintani

編集 桑原亮子/edit  Ryoko Kuwahara

 chara

Chara

『Secret Garden』

発売中

http://www.amazon.co.jp/Secret-Garden-初回生産限定盤-DVD付-チャラ/dp/B00R3NFFPW/ref=ntt_mus_ep_dpi_1

https://itunes.apple.com/jp/album/secret-garden/id962225831

 

Chara

1991年9月、シングル「Heaven」でデビュー。1992年の2ndアルバムでは日本レコード大賞ポップ、ロック部門のアルバム・ニューアーティスト賞を受賞。1996年には女優として出演した岩井俊二監督の映画『スワロウテイル』が公開され、劇中のバンドYEN TOWN BANDのボーカルとして参加して制作されたテーマソング 「Swallowtail Butterfly~あいのうた」が大ヒット。1997年のアルバム『Junior Sweet』は100万枚を超えるセールスを記録。2015年3月『Secret Garden』を発表。音楽的探求のもと、新たな作品を発表し続けている。

http://www.charaweb.net

 

[Chara Concert 2015 – Secret Garden -]

3月31日(火):Zepp Sapporo(札幌)

4月3日(金):日本特殊陶業市民会館(名古屋市民会館中ホール)(愛知)

4月5日(日):Zepp Fukuoka(福岡)

4月7日(火):倉敷市芸文館(岡山)

4月16日(木):中野サンプラザホール(東京)

http://charaweb.net/

 

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