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Salyu「話したいあなたと」第4回:清 竜人

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——竜人くんはSalyuさんにどんなイメージを持ってましたか?

「僕はLily Chou-Chouのイメージが強いですね」

Salyu「へえ! うれしい。竜人さんは私の10歳下くらいですよね。Lily Chou-Chouはリアルタイムではないでしょ?」

「はい、たぶんリアルタイムではないんですけど、映画(『リリイ・シュシュのすべて』)をきっかけにLily Chou-Chou知って。邦画が好きでよく観ていた時期があったんです。あと、ASA-CHANGが僕のソロデビューのタイミングからドラムを叩いてくれてたんですね。だからASA-CHANGとは19歳のときからの付き合いで。そのなかで『最近Salyuさんとのレコーディングに参加してる』という話を聞いたことがあって。だから、Salyuさんを見ているとASA-CHANGの顔が浮かびます(笑)」

Salyu「あははははは。そうか、そうか」

「あとは、Salyuさんは話し声と歌声が近いですよね。今日始めてお会いして、お話させてもらってそう思いました。話声と歌声が違うタイプの歌い手さんも多いと思うんですけど。ここまで近い人ってわりと少ないんじゃないかなって」

Salyu「初めて言われた!」

「まるで歌ってるみたいに話しますよね。今の『初めて言われた!』というのも歌のようだなと思います」

Salyu「ありがとうございます(笑)」

——以前、竜人くんにインタビューしたときに印象的だったのが、基本的に女性ボーカルの音楽しか聴かないと。それか、インストものしか聴かないと言っていて。

「そうなんですよ。理由は感覚的なことがいちばんなんですけど」

Salyu「ああ、そうなのかなと思った」

——どういうところに?

Salyu「竜人さんの歌に女性っぽさを感じたからかな。女性シンガーって振る舞いが重要で。人とどう話すかということも歌に直結するんですよね。そういう意味で竜人さんは女性的な、繊細な感性を持ってる方なんだなって思いました。それはひとつの好意的な思いとして」

「ありがとうございます。自分が歌をやってるから、ほかの男が歌ってる曲を聴くと胸くそが悪くなるんですよね」

Salyu「あはははは!」

——ノイズに感じる?

「ノイズに感じますね。聴きたくない。特に日本人の男の歌は」

——その感覚はずっとあるんですか?

「ずっとありますね。音楽を始めた高校生のころから。音楽に対する自我が芽生えて、自分がこれから音楽をやっていこう、音楽で飯を食っていこうと思った時期からありました。日本人に限った話で言えば、僕は女性アーティストのほうが才能のある人が多いと思います」

Salyu「見当違いかもしれないけど、私もわかる気がする。私はね、10代のころに男性の歌ばかりうたっていたんですよ。でもね、やっぱり男性の歌って理解できないんですよね。同性の表現は母親の言い回しひとつにイラッとするのと一緒で、わかっちゃうんですよね。そこにある本音や下心が。でも、男性のことはたぶん一生涯わからない。だから一生涯ミステリアスな存在でもある。その分、そこに対して持てる想像力の幅が広いんですよね。同性はわかってしまうから狭いんだけど。そういう意味で私も異性の歌に惹かれるところがある。もちろん、竜人さんは音域が女性シンガーのほうが好きとか、そういうところもあるとは思うんだけど」

「おっしゃるとおり僕は男だから同性の表現がわかる部分が多いので興味がない、そこに学ぶことがないと思うところはありますね」

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