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『フランスで快適に生きる裏ワザ10のこと』〜その7 Bébé(赤ちゃん)と見つめ合う〜

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「パンがうれしくなる仲間たち」を探しに、生まれてはじめてやってきたフランス。身寄りがなく語学力も0(ゼロ)だったわたしが、気付けば9か月、たくさんの出会いと健康に恵まれて、想定外にフランスを満喫しながら生きています。郷に入って郷に従いつつフランスをカスタマイズして快適に生きている、そんな裏ワザ10のことをこっそりご紹介します。

Bébé(赤ちゃん)と目が合った時は、しばらく見つめ合ってみてください。
日本でも同じですが、子供を守ってあげなきゃいけない大人が子供に見つめられて
そこから目を逸らすのは大人としてどうだろう、と思うんです。
そういう時の自分って、他の責任もたなきゃいけないことからも目を逸らしてるんじゃないかって。


実際わたしがそう。
フランスでこの先どうなるか不安に襲われつつも何も動けなかったとき、
バスで乳母車の中の赤ちゃんに見つめられて、思わず目を逸らしてましたから。
「そんな弱気な大人は日本に帰っちゃえ」
って言われているようでした。


なので、Bébé(赤ちゃん)と目が合った時は、
フランス滞在の面接試験だと思って「目相撲」に取り組んでみてください。
「自信付いたぞ!」と再度挑戦した時でも、
直視してくるあまりにピュアな目ぢからと
赤子ですら半端ない彫りの深いその造形美に
こちらはひるんでしまって “うっちゃり(土俵際まで詰め寄った時に逆転負けする相撲の決まり手)” もしょっちゅう。


そんなときは、まだ集中力のない、必死じゃない自分の未熟さを思い知ります。
子供は天使ですが、力視(りきし)な力士(りきし)でもあります。
でも、負けちゃいけない。
それに勝たないと、まだどこかで“フランスにおじゃましているだけのお気楽なお客さん” です。


取り組み中は互いに無言の会話ですが、
笑顔を交わし合えたときは合格点をもらえた達成感があります。
本当の意味でのフランス滞在許可証を受け取れるのは、この瞬間かもしれません。



<プロフィール>
平居和恵(ひらい かずえ)
奈良県出身
芸能事務所、IT関連、食品メーカー広報などに在籍。パンが好きがゆえに、2014年8月会社、住まい、日本を飛び出しパンとマリアージュする “魅材・逸材・輝材” を探すためフランスに渡る。

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