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tofubeats『POSITIVE』ロングインタヴュー(前編)

――自身のライヴに関してはどうですか? かなり盛り上がりますよね?

tofubeats「曲をかけて、歌って、手を振ったりしてますけど、ライヴはあくまでも家で作った曲を発表する場ですね。ライヴは嫌いじゃないので誤解されたくないんですけど、そこまで一体感やワイワイ感だけを求めているわけではないんです。去年は生演奏できる機会があったりして楽しかったですし、もちろんお客さんは大事ですし、お客さんに向けてやっていますけど、自分が面白がるために最近は笛を吹いたりもしてますね。スベるんですけど、自分が面白いから笛を吹く。そういうのはありますね。そもそもDJを始めたのも、DTMを家でやっていてインターネットに曲をアップしているうちに、『人前で発表したら』という感じになっていったからなんです。サイプレス上野とロベルト吉野“BAY DREAM-FROM課外授業(TOFUBEATS REMIX)”が見つかったりして、人前に出るようになっていったんです」

――ある意味で、インターネットから引っ張り出されたということでもありますよね。 

tofubeats「人前に出るとなったときに、何も楽器ができないからまずはDJをやることになるんです。当時は未成年でライヴ・ハウスでバンドに混じってやらないといけなかったから、DJでは足りひんなということに徐々に気づいていくんです。ただDJしていてもお客さんが帰っちゃうんですよ。それでしゃべったり歌ったりしているうちにライヴという形で歌を歌うようになる。だから、僕の歌ったりするライヴはマイナスな状況から始まっているんですよね。僕がAuto-Tuneを現場に投入し出した時期はめっちゃ早かったと思いますよ。2009年ぐらいには現場でリアルタイムで使って歌っていましたから。そういうのも『歌わなアカンけど音痴やからなあ』というハンディキャップありきで始まってる。だから、ライヴに関しては表に出なアカンから出る以上は工夫しようという意識でやっていますね。基本的にはやっぱり音源で判断してもらえるとうれしいというのあります」

――なるほどー。では、tofubeatsにとってのダンス・ミュージックとは何でしょう?

tofubeats「ダンス・ミュージックはクラブに行き出す前から好きだった音楽のひとつということですね。で、いまはクラブでもDJしたり、ライヴしたりするから、ダンス・ミュージックもプレイできます、ぐらいの感覚なんです」

――tofuくんはKORGのアナログ機材とかも買って持っていますよね。そういうダンス・ミュージックの肉体性へのこだわりもあると感じますが、どうでしょうか。

tofubeats「シカゴ・ハウスとかがすごい好きだから持ってるというのはありますね。あと、音楽制作の入りもMPCですからね。クラブが好きか嫌いか、クラブで踊るか踊らないかとかに関係なく、そういう音楽が好きだし、そういう機材やシンセの音が好きなんですよね。やっぱり僕は出自がクラブ・ミュージックなんですよ。だから打ち込みっぽい音や音楽が好きで、ビートを聴いているのが好きなのはヒップホップが入りだからでしょうね。そういうところからJ-POPに行っているんですよね」

 

(後編に続く)

文  二木信/text  Shin Futatsugi

tofubeats_positive

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『POSITIVE』

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tofubeats

1990年、平成2年生まれ、神戸市在住のトラックメイカー/DJ。インターネットで100曲以上の楽曲を公開し続けるかたわら、 YUKI、FPM、佐々木希、ももいろクローバー、Flo Rida など様々なアーティストのリミックスも手かがけ高い評価を得ている。Web CMなどのクライアントワークも多数。盟友オノマトペ大臣と2011年末にリリースした“水星EP”はアナログ盤として異例のヒットに。強い要望を受けてリリースされたデジタルバージョンはiTunes 総合チャート1位を獲得。iTunes Best of 2012 に選出され、翌2013年のニューアーティストにも選ばれる。2013年春発売の『lost decade』も iTunesで総合チャート1位を獲得。世界のインターネットに散らばる最新のクラブミュージックからJ-POPまで、凝り固まらない平成生まれのバランス感覚を持った新進気鋭の若手トラックメイカー。2013年11月には森高千里をフィーチャリングした“Don’t Stop The Music”でメジャーデビュー。藤井隆を迎えた“ディスコの神様”でも話題に。2014年10月2日にメジャー1st『First Album』、2015年4月1日に『STAKEHOLDER』、そして2015年9月16日に2nd『POSITIVE』をリリース。

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