NeoL

開く

tofubeats メジャーデビューEP “ Don’t Stop The Music ”ロングインタビュー(前編)

—うん、そこはあえてそうしたのかなと思ってました。

tofubeats「幅をもたせたいというのはあって、“Don’t Stop The Music”とか“水星”とか、ああいうのばっかり出してると真面目な人と思われちゃうんですよね。だから“水星”のあととかにコンドームのCMの曲をやったりして。そういう振れ幅って大事だから。真面目にやってるんですけど、世の中に伝えたいメッセージとかはないよっていうのはちょっと残しておきたいんですよ。僕は曲では政治的なものには関わらないって決めてるし、フザケてやってますよ感を出すために振れ幅は毎回出したいんです。“Don’t Stop The Music”も曲名的に風営法反対っぽかったり、子どもがダンスしてるPVとかめっちゃ批評的になったりしちゃうんですけど、そんなんじゃないんやん、って。全体的にコンセプトも何もないよっていうのがあるから違う毛色の曲を並べてるというか。もちろん真面目に考えてはいるし、仕組みは面白い方がいいんですけどメッセージとかはないよって言いたい。曲の先に平和とか戦争反対とか、そういうメッセージはない。それは自分で考えた方がええやんって思ってるんですけど、どうしても音楽には付いて来るじゃないですか。それをどう振り払っていくかが問題で。まあそれは考えすぎってとこもあるんですけど」

 

—日本語でやってると余計にメッセージは付いてきますよね。

tofubeats「そう、日本の人って音楽を情念で聴くじゃないですか。別にもっとラフでいいっていうか、歌詞も意味はあるけど、ただどう捉えてくれてもいい。Tシャツとかで訳の分からないことが書いてあるやつあるじゃないですか、ああいう感じ。ただ真面目に捉えようと思ったら真面目に捉えられるくらいでいい。“私がオバさんになっても”とかはそういう意味では百点満点なんですよ。オバさんになるのが嫌だとも、年をとるのがいいとも取れるし、どっちとも言えない気持ちで。それがJ-POPとして百点満点だと思ってるんで、“Don’t Stop The Music”の歌詞も『今夜だけの秘密の合図』になってて、どっちとも捉えられる。そこまで上手くいかなかったんですけれど、そういう感じがやりたかったんです」

—聴く人に幅を持たせたいと。

tofubeats「幅を持たせたいというか、幅を持ちうるのがいいポップスというイメージがあるので。誰が思うようにも聴けるというか。いろんな人がいろんな風に思うから混乱するっていうのが一番ベストなんじゃないかって思うんです。全く僕が考えないで作った曲で憶測とか生まれてほしい。毎回カタログっぽくしてるのもそういうことで。僕は何かを必然として起こそうとしてないんですよ。90年代を意識してるんですかとか言われるんですけど、意識しているわけではなくて好きなものをやったらこうなったって感じなんで。そこはいつも言ってることですね」

(後編へ続く)

1 2 3 4 5

RELATED

LATEST

Load more

TOPICS