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text by Shoichi Miyake
photo edit by Ryoko Kuwahara
photo by Hiroki Wada

OKAMOTO’Sのアドレス帳 Vol.16 八木 類(Czecho No Republic)×オカモトコウキ

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ーそれぞれバンド内の役割はどう考えてますか? 2バンドともフロントマンがメインコンポーザーとしているなかで、曲を作るギタリストであるという立ち位置は共通してるじゃないですか。


八木「でも、コウキくんはけっこう曲を作ってるけど、僕はアルバムの2、3割という感じで。ボーカルの武井(優心)がポップだったりポピュラリティがあるということに対してフラットな人で。たとえばMVを作るシングルの曲なんかは、けっこう武井が作ってるんですね。それもあって僕は逆に自由に作れるんですよ。僕が作るアニコレ的な要素を混ぜた曲は、絶対シングルにはならない。コアすぎて(笑)。だから、たとえば『Santa Fe』というアルバムに入ってる『Fun,Fun,Fun,Fun,Fun』というビートルズのオマージュとして作った曲はシングルにならないだろうと思ってほとんどギャグで作ったんですよ(笑)。ポール(マッカトニー)の来日公演を観て触発されて作ったんですけど、そういうスパイス的な曲を作るのが自分の役割なのかなと。バンドのバランスはどんどんよくなっていると思います。タカハシマイっていうキャッチーな存在もいますし」


コウキ「存在がキャッチーでいいですよね。」


八木「僕が作った曲をタカハシが歌うとちょうどいい塩梅になったりするんですよね。タカハシが歌うだけでキャッチーになる」


ーコウキくんは『BL-EP』も顕著ですけど、自分が作る曲の比率や重要性が上がってきてる実感があるんじゃないですか?


コウキ「ただ、僕の考え方も八木さんの考えとわりと近くて。ショウくんの曲がまず主軸にあるべきだと思っています。基本的に彼がコンポーザーとしても主人公になったほうがいいと思っているので。ショウくんが作る曲を補完したり変化球を投げるという考え方で向き合っています。ただ、やっぱり演奏がカッコいい楽曲を作りたいと思っていて。ハマくんのベースが活きる曲だったり。もちろんその時々によって考え方は違いますが、たとえば『BL-EP』だったら、今の流行りの流れでファンキーなことをやったらすごくハマるだろうなと思って。そうすると自動的に楽器主体の曲作りになってくるので、結果として僕の曲が多くなりました。ただ、基本的にはショウくんの曲がメインとしてありつつ、そのあたりの押し引きは自由であるべきだと思っています」


ー話が早いけど、次のアルバムはどうなりそう?


コウキ「次はショウくんと僕で半分ずつくらいになるかもしれないですね。今はまだ一曲しか録っていないので、まだまだわかりませんが、まずは僕の曲を録りました。それも『BL-EP』の延長線上にある楽曲です。あのムードがもっとドープになった感じ。もっとファンキーで、もっとAORというか」


八木「おおっ」


ーチェコの最近のモードはどんな感じなんですか?


八木「最初はギターロック的なフォーマットで始まったバンドなんですけど、徐々にシンセが増えてきて、最近はほぼシンセみたいな感じで。『DREAMS』はプレイヤーのことを考えずに作ったところもあったんですよね。そうすると正直『バンドなのに』というモヤモヤも生まれてくるから、次はもっとそこをクリアにしていきたいなって。なんか、そろそろシンセはいいかなと思ってたりもして(笑)


コウキ「またモードが変わったんですね」


八木「1周してちょっと原点回帰するみたいな感じかもしれない。この前、林くんとかとギタリスト飲み会みたいになったじゃん? そこでみんなギターの話をしたのが楽しくて」


コウキ「そうそう、ずっと話してました。ギターマガジンの編集長も来て」


八木「みんな当然のようにギタマガを読んでるしね(笑)」


コウキ「『今月号の何ページがよかった』という話をしたり(笑)」


八木「そのときギターを好きな熱い人ってまだこんなにいるんだと思ってうれしくなったんですよね。僕、それからギター買いましたもん(笑)。最近あらためてギターを弾くのって本当に楽しいなと思って。だからちょっとずつ僕自身にバンドにもいろんな変化が出てくるんじゃないかと思ってるところです


コウキ「お互いいい意味で過渡期なのかもしれない」


八木「うん、変わっていくと思う。やっぱり個人的にはコウキくんに仕事で呼んでもらったことが大きい。コウキくんのギターを弾かせてもらって『いいギターってこんなにいい音するんだ』って思ったから(笑)」


コウキ「それはすごくうれしい(笑)」


ー今のモードを鑑みると、チェコのライブも変化していきそうですね。


八木「今はバンド全体として、お客さんへのエンターテインメントとしての在り方を考えてると思いますね。大きいステージでは特に。この前、イベントで武道館のステージに初めて立ったんですけど」


コウキ「やっぱり武道館にはグッときました? ビートルズという観点でも」


八木「グッときたね。『ダイナソー』という曲の最後に『Two Of Us』のフレーズをこっそり聴いて(笑)。単独でもやりたいですね」


——OKAMOTO’Sも実はイベントで何度も武道館に立ってるんだよね。


コウキ「そう、今度も出ますし(NEO ROCK FES)。ジョン・レノン スーパー・ライブでも武道館に出演させていただいて、まだ単独ではやれていませんが、1年に1回ぐらいのペースで立たせてもらってます。音もよくてすごくやりやすい」


ーやっぱりOKAMOTO’Sも単独でやりたいですよね。


コウキ「やれたらいいなと最近は特に思います」


ー最後に、お互いの今後に期待したいことをそれぞれ語ってもらえたら。


コウキ「僕は八木さんの作る曲が好きなので、純粋にもっと聴いてみたいなと思います。曲ができたらすぐ送ってくださいという感じです。また一緒に制作もしたいですし」


八木「そっくりそのままお返しします(笑)。コウキくんの作る曲が純粋に好きなので、ただただ聴きたいです。あとドライブに行こう!」


コウキ「ぜひ!」


八木「ウクレレ持って行くわ(笑)!」


Czecho No Republic(チェコノーリパブリック)
武井優心(Vo, B)と山崎正太郎(Dr)を中心に2010年3月に結成。メンバーチェンジを経て、現在は武井、山崎、八木類(G, Syn, Vo)、タカハシマイ(Cho, Syn,Vo)、砂川一黄(G)の5人で活動。2011年6月に1stシングル「Casually」をリリース、同年10月には初の1stフルアルバム「Maminka」をリリースし、そのアルバムが「第4回CDショップ大賞2012」にノミネートされ、これを期に話題の新人バンドとして注目される。2012年6月にはミニアルバム「DINOSAUR」をリリースし、初のワンマンライヴを代官山UNITにて行う。2013年に日本コロムビアよりメジャーデビューアルバム「NEVERLAND」を発売、CS3局やFM/AM各局でのヘビーローテーションを獲得し、各地で高評価を受けたこの作品は、2度目となる「第6回CDショップ大賞2014」にノミネート。2014年にはニッポン放送「オールナイトニッポン0」のパーソナリティーを1年間務め、見た目とギャップのあるトークが話題になり、更なるバンドの魅力が広がった。テレビ東京系「モヤモヤさまぁ〜ず2」「ノーコン・キッド 〜ぼくらのゲーム史〜」「ゴットタン」のエンディングテーマや、「SICKS~みんながみんな、何かの病気~」の主題歌、「Pocky×Czecho No Rupublic」としてPockyとのコラボCMがスペースシャワーTVと渋谷スクランブル交差点のグリコビジョンにて放映されるなどテーマソングでも活躍の幅を広げる。2014年10~12月にはフジテレビ系アニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマとして「Oh Yeah!!!!!!!」が全国でオンエア。続く2016年5月に発売となった「Forever Dreaming」もフジテレビ系TVアニメ「ドラゴンボール超」のエンディング主題歌としてオンエアされた。2015年9月に3rdアルバム「Santa Fe」を発売。2016年7月には4thアルバム「DREAMS」を発売し、全国15公演のワンマンツアーを完走。
http://c-n-r.jp


OKAMOTO’S
オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(G)、ハマ・オカモト(B)、オカモトレイジ(Dr)。2010年5月にアルバム 『10’S』、11月に『オカモトズに夢中』、2011年9月に『欲望』を発売。2013年1月に4thアルバム『OKAMOTO’S』を発売し、7月に は両A面シングル“JOY JOY JOY/告白”を、11月6日にニューシングル“SEXY BODY”をリリース。2014年1月15日に岸田繁(くるり)を迎えた5th アルバム『Let It V』を、8月27日にはRIP SLYME、奥田民生、黒猫チェルシー、東京スカパラダイスオーケストラ、ROY(THE BAWDIES)らとコラボを果たした5.5 thアルバム『VXV』を発売。2015年9月30日、6thアルバム『OPERA』をリリース。2016年6月1日にNetflixドラマ「火花」の主題歌「BROTHER」を表題曲にしたシングルをリリース。10月29日、東京・日比谷野外大音楽堂公演にてキャリア初の47都道府県ツアーファイナルを敢行。同年12月21日に映画『にがくてあまい』の主題歌「Burning Love」などを含むTシャツ付アナログ盤&配信限定リリースのEP「BL-EP」を発売。
http://www.okamotos.net


photo Hiroki Wada(TRON)
interview Shoichi Miyake
structure Mine Kawahara
edit & direction Ryoko Kuwahara

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