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Rick Owens 2026年春夏 メンズコレクション「TEMPLE」




2025年6月26日(木) パリ時間19時00分
Rick Owensが、PALAIS DE TOKYO, にて2026年春夏メンズコレクション「TEMPLE」を発表。















































ショーに際してのステイトメントは以下。


リック・オウエンスの2026年春夏メンズコレクションのタイトルは、「TEMPLE(テンプル)」。この名前は、ショー直後にパレ・ガリエラ美術館で開催される回顧展「TEMPLE OF LOVE」にちなんでいます。“LOVE”という言葉に今こそ意味を見出し、それをテーマとして掲げた展示です。

回顧展という言葉は「頂点」「終焉」「衰退」といった概念を連想させますが、私はそこに積極的に踏み込むことに喜びを感じました。


この展示は、ハリウッド・ブルバードで私が追い求めていた「グラマーとスリーズ(華やかさと下品さ)」の行方をたどるものであり、最終的には、パリの美術館にたどり着きました。
私が行ってきたことは常に、「ヨーロッパの濃密な美的洗練」を「アメリカ的な率直さ」というフィルターを通して眺めることへの魅力からきています。

この「率直さ」は、黒いレザーの隙間から見える肌の露出に現れています。ハリウッド・ブルバードの鋲付きストラップは、ニンフたちがサテュロスを捕まえるために使った花輪を思わせるように垂れ下がり、飾り付けられています(ブグローのネオクラシック絵画を参照)。
ストラップは、男性が自己装飾に快適に浸りながらも、どこかアクション性を感じさせる、そんな絶好の口実になるのです。


トスカーナ州サンタクローチェ・スッラルノで植物タンニンなめしされたヘビーウェイトレザーは、切り裂かれ、フリンジが付き、スパイクが打たれ、ジッパーが施されて、動き、揺れ、呼吸するように仕上げられています。


豊かにボリュームを持ったフライトジャケットやパーカは、シルクタフタか、1952年創業の家族経営の工房がイタリア・コモ地方で織ったインダストリアルナイロンキャンバスで仕立てられています。使用されたナイロンはGRS認証を受けており、水使用量、排出物、有害廃棄物の削減に配慮し、非再生可能資源への依存を軽減しています。

これらのアウターは、ボリュームのあるコットンキャンバスショーツと合わせ、オープントゥの面ファスナー付きパッド入り整形外科用シューズ、私たちはこれを「ブリトースニーカー」と呼んでいます、とともに着用されます。


1970年代にミニマルな電子楽器の使用を先駆けたニューヨークのパンクバンド Suicide(スーサイド)とのコラボレーションも行いました。ボーカルのアラン・ヴェガとミュージシャンのマーティン・レヴの生々しく不穏な音は、彼らが着ていた破壊され、解体されたレザーと響き合っています。今回はそれを兵庫県でなめされた重厚なレザーで再解釈し、ジャケットとして表現しました。

カシミヤを使ったブランド「Totalkoster」を展開するテリー=アン・フレンケンは、2002年の私たちの最初のショールームモデルでした。今回、恥ずかしいほどノスタルジックな気持ちに身を任せ、当時彼女が気に入っていたニットを再現してもらいました。20年前に私が彼女を撮影したポラロイド写真は、本展のカタログの最初のページに掲載されています。


ショーのサウンドトラックは、伝説的な変人のひとりであるクラウス・ノミによる『Dido’s Lament(ディドの嘆き)』(作曲:ヘンリー・パーセル)。
彼は私の中の“変人”を解き放ってくれた存在です。

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