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稀代のシューズデザイナー、クリスチャン・ルブタンが語る青山旗艦店の魅力

—2007年にはデビット・リンチとフェティッシュ展を開いたり、『私が靴を愛するワケ』に出演したり、ソフィア・コッポラの映画『The Bring Ring』にもChristian Louboutinの靴がフィーチャーされていたりと映画とのコネクションも強いと思います。クレイジーホースのダンサーたちを演出された映画『Fire By Christian Louboutin』も公開になりましたが、靴とバッグのデザイン以外に映画だったりダンサーのショーを演出される経験はいかがだったでしょうか?

クリスチャン「靴のデザインは、誰かが歩くところをイメージしたり誰かと話した会話を思い出したりして始まります。例えばデビット・リンチとは、『この靴では走れないじゃないか』『この靴は機能的ではない』と言う人がいるけれど、靴というのは必ずしも走るためにあるわけではなくて他の目的で履く靴もあると思うということを話しているうちにフェティッシュ展を開催する運びになりました。それは私がデザインし、デビットが写真を撮ったのですが、プロジェクトというのはそのように、人が集まったときにたまたま話をしていたり、たまたま何かのことで一緒に笑いあって、始まるようなことが多いと思います。まあ、結婚みたいなものでしょうか。

靴をデザインする時は特に時間的な制限はありません。例えば夏にSSコレクションを必ずしもデザインするわけではないのですから。プロジェクトを企画する際も、なるべく多くの人が絡まないようにやりたいと思っています。一度、シンデレラの靴をデザインしてほしいと言われたことがあったのですが、シンデレラの靴は手の届かないところにあるものなので、買えるはずがないのです。

僕にとってプロジェクトとは、商業的というよりも、楽しいという気持ちの方が強いと思います」

—では最後に、青山店の中で特にお好きなスペースやディスプレイを教えて下さい。

クリスチャン「日本の障子のようにフランスでは木のパネルを選ぶのが伝統的なのですが、メンズコーナーの壁はレザーで作られています。実際のメンズシューズのパターンを付けています。これは男性らしさを表現しており、一番上はエンボスになっているのが特徴です。

また、マジックミラーのように、反対側が見える鏡を使った什器や、照明も気に入っています。何層にも重なって見える光はフランス人から見て日本らしさを感じられるのです」

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