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G.RINA『Lotta Love』インタビュー

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『MASHED PIECES #2 』以来、5年ぶりのアルバム『Lotta Love』をリリースするG.RINA。文中でも語られる通り、今作は彼女のベーシックといえる、80’sのブギーやディスコ、ファンクから、90’sのR&Bやアーバン・ソウル、ヒップホップ以降のクロス・オーバーしたブラック・ミュージックなどを基調にし、そのサウンドをG.RINAのリリックと歌声から生まれる大きな「LOVE」で包み込んだ一作。カラフルでいて繊細、タフで艶やかなこのアルバムの放つ表情は、あまりにも美しく、その圧倒的なクオリティは、聴きながら何度も鳥肌が立つ程の快楽と充足感を与えてくれる。一言、傑作。

 

——ベース・ミュージックをテーマにしたコンセプチュアルなアルバムだった『Mashed Pieces #2』からは5年、オリジナル・アルバム「大都市を電車はゆく」からは8年ぶりのアルバムとなりますね。その間の時間について教えて下さい。

G.RINA「生活の変化が大きかった時間でしたね。『Mashed Pieces #2』から、現在までのあいだに、子供が二人生まれたので、制作に集中する時間が纏めて取れなかったんですよね。なので、物理的にソロ作の制作が難しくて。ただ、全部を自分が制作するソロを作るのは難しかったんですが、フィーチャリングでは制作もさせて頂いて」

——コラボの部分も強かった『Mashed Pieces #2』からの流れにも通じると思いますが、客演作は多かったですね。

G.RINA「ヴォーカリストで、メロディや歌詞も自分で考えて、かつ自分で録音も出来る女性アーティストがそこまで多くないということもあると思うんですよね。だから、自宅でDTMや宅録が出来て、やり取りも速い人っていうスタンスの人に、客演に呼ばれる事が多かったと思いますね」

——確かに、“No.1 feat.G.RINA”を制作したtofubeatsや、“Lose Myself feat.G.RINA,藤井洋平”を制作したOMSBなどはそういったタイプではありますね。また、ZEN-LA-ROCKとのサマー・チューン“MOON feat G.RINA”という動きにも驚かされました。

G.RINA「私も驚きました(笑)。私自身、彼の音楽が好きだし、声をかけてくれたのは嬉しかったですね。もともと、90年代的なサウンドを基調にしたコンピレーションの企画を考えてたんですよ。それは自分が歌うんじゃなくて、興味のあるトラックメイカーや、MC、シンガーを組み合わせて、パッケージするっていう形態で」

——プロデュース・アルバムという感じですね。

G.RINA「その中で、90’s的な音楽にもアプローチしているZEN-LAくんが浮かんだので、それで声をかけたんですよね。実際、そういう価値観の部分でも意気投合することが出来て。そのプロジェクト自体は進まなかったんですけど、逆にZEN-LAくんから、彼の楽曲にオファーをしてくれて」

——トラックはYasterizeが手がけ、ヒップホップ・シーンでも気鋭の面子に、G.RINAさんが参加されるという流れも興味深かったです。OMSBとはコンピ「160or80」収録の“Love, Not For Sale”でもタッグを組まれてましたね。「160or80」はBPMが160か80で取れるというコンセプトで纏められた、ヒップホップやベース、JUKEを中心にした作品でした。ヴェテランではECDが参加されていましたが、Cherry BrownやMvjimob、あべともなりなど、新進かつアンダーグラウンドの香りも強い作品でした。 

G.RINA「私自身、DJ活動の初期には、ドラムンベースとヒップホップを繋いでたりしたんですよ」

——BPMを倍加したりハーフでとると繋げますね、確かに。

G.RINA「それで、『日本語ラップでもこういう感覚があったらいいのに』ってずっと思ってたんですよね。『160or80』はまさにそのコンセプトが形になったアルバムだったし、ネット・リリースされた時に『これこれ!』って(笑)。それで『やった人は偉い!』って言ってたら、『そのCDバージョンに参加して貰えませんか』ってオファーを頂いて、それで参加したんですよね」

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