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text by Maya Lee

街とアート特集:ギャラリー4選(ロンドン編)




空間は、アート鑑賞に重要な役割を果たし、作品にまた別の意味を持たせるレイヤーを構築する。場所が異なれば、オーディエンス、ヴィジュアル、作品の姿勢が変わる可能性があるのだ。空間に一歩踏み出すと、何か新しいことに出会えるかもしれない。ロンドンには無数のギャラリーやスペースがある。ナショナル・ギャラリー、テート・モダン、V&A以外にも、アートを楽しめるスペースのいくつかをここに紹介する。(→ in English)





House of vans


ウォータールー駅の真下には、5つのトンネルがある。バンクシー・トンネルとしても知られるリーク・ストリートは、ロンドンでグラフィティが許されている唯一のストリート。その同じトンネルの中にHouse of Vansがある。
House of Vansは文化と創造性の坩堝で、これほどに “Vans Off the Wall”の精神にふさわしい場所は他にない。この会場は6つのトンネルを組み合わせたもので、それぞれにスケートパーク、レストラン、劇場、ギャラリーなどさまざまな施設が軒を連ねる。
ギャラリーは地元や国際的なアーティストと緊密に連携しており、新しいアーティストのためのスペースも完備。周囲の照明や150年前のレンガの壁、上を走る列車の音など、すべてが最高の体験を約束してくれる。

アート、スケートボード、ストリートカルチャー、音楽、ファッションを通してクリエイティヴな表現を求めるのに最適な空間。夜や週末には無料の映画鑑賞も開催。新旧のブリコラージュに出会える。



House of Vans (Arches, 228, 232 Station Approach Rd, London SE1 8SW, United Kingdom)
Temporarily Closed to prevent the spread of Covid-19: https://www.houseofvanslondon.com
Phone: +44 20 7922 1180
Open days: Thursday/Friday (4:00pm-10:00pm)
Saturday (10:00am-8:00pm) Sunday(12:00pm-6:00pm)
Closed days: Monday-Wednesday






180 the Strand

ナショナル・ギャラリーから徒歩10分の位置にある、大規模で近代的なポスト・アポカリプスの建造物。このブルータリストのオフィスとホテルは、1970年代にフレデリック・ギバード卿によって設計され、つい最近になってこの創造的な空間に変貌した。
1年を通じて、ファッションのインスタレーション、キャット・ウォーク、ビデオ・エキシビションが展示されている。ヴァージル・アブローやアイ・ウェイウェイなどの著名人の作品を展示。ウェス・アンダーソン監督の『犬ヶ島(犬ヶ島)』のエキシビション・ビデオ、『Strange Days: Memories of the future at The StoreX exhibition video』などの有名な展示も数多くある。
この会場の特徴は広々とした部屋。街中にあるけれど、コンクリートの壁が外の音を完全に遮断している。この静けさと空間で観客は展示物にじっくりと浸ることができ、かつどの展覧会も全く異なる次元にいるように素晴らしい体験となる。
展示スペースのほかに、この建物は、The Vinyl Factory、Dazed Media Group、Charcoal Blue、The Spaces and Fact Magazineなど多くのクリエイティヴ企業のオフィスでもある。


180 the Strand (180 Strand, Temple, London WC2R 1EA, United Kingdom)
Currently no public events: https://180thestrand.com
Open days: Tuesday- Sunday (12:00pm-7:00pm)
Closed days: Monday



Polly Nor exhibition


Protein studios


ショーディッチに位置し、ブリックレーンから徒歩圏内のプロテインスタジオは、アートの最高のスポット。ギャラリーのほかに、クリエイティヴ専用の独自のコワーキングスペースも。
フレキシブルなこの会場では、多くの型破りな展示会が開催された。ポリー・ノルは以前、このスペースでユニークな展示会を開き、ISSEY MIYAKEもカラフルなインスタレーションを行った。高い天井とギャラリーの開放性は、アーティストに空間の自由を与える。
このウェアハウススタイルの会場には、大きな入り口があり、とても親しみやすい空間を作っている。従来の屋内型のギャラリースペースとは対照的に、会場のほとんどが屋外。日光と新鮮な空気のもとでは、物事が異なって見える場合があるのだ。


Protein Studios (31 New Inn Yard, Hackney, London EC2A 3EY, United Kingdom)
Currently no events: https://www.proteinstudios.com
Phone: +44 20 7247 3999
Open days: Monday-Sunday (8:30am-11:00pm)






White Cube Bermondsey


名前の通り、White Cube Bermondseyはミニマリストのギャラリーだ。彼らはスペースへのセンシティヴなアプローチを得意として、コンセプチュアルワークを展示することが多い。それらは建物のミニマルなスタイルと調和を成す。
そこには3種類のスペースがあり、「サウスギャラリー」は大きなメインディスプレイエリア。 「ノースギャラリー」は小さいが、より実験的。注目は「9x9x9」の立方体の空間。

このギャラリーは、2次元と3次元の両方を展示している。明るく照らされた部屋は時代を超越した雰囲気を付与する。この建物がかつて倉庫だったとは信じがたい。美しい建築は、繊細な芸術のセレクションには欠かせない存在だ。

White Cube Bermondseyは、バーモンジーにあるほか、メイソンズヤードと香港にもギャラリーを持っている。

現在は多数のオンライン展示会を催しているので、こちらのリンクからぜひ覗いてみてほしい。

White Cube(144-152, Bermondsey St, Bermondsey, London SE1 3TQ, United Kingdom)
Currently no exhibitions
Advanced booking is required: https://whitecubebookings.as.me/schedule.php
Phone: +44 20 7930 5373


text Maya Lee

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