ボッテガ・ヴェネタが銀座フラッグシップにて、森岡書店とのコラボレーションによる展示「La Libreria curated by 森岡書店 ― 菅原敏『珈琲夜船』展」を6月19日(木)より開催する。
森岡書店は、毎週1冊の本を通じて作家、関係者、読者が集う文化的コミュニティを作るというユニークなコンセプトで、銀座の地で運営。1冊の本から展覧会やワークショップを展開し、本の文化を現代的に継承している。
本展は、日本の文学に焦点をあて、書店という枠を超えて「1冊の本の世界を立体的に伝える」活動を続ける森岡書店の協力のもと、ボッテガ・ヴェネタと日本の文学やアートコミュニティとの新たな交流を育む機会となる。
詩人・菅原敏の詩集『珈琲夜船』(雷鳥社)に着想を得て、選出された5編の詩からインスパイアされた5種の香りを、調香師・沙里が特別に調合。
香りを“ききながら”詩の世界に没入することができる、言葉と感覚が交差する展示。
また、6月21日(土)には、スペシャルイベントも開催予定(招待制)。
La Libreria curated by 森岡書店 ―菅原敏『珈琲夜船』展
会場:ボッテガ・ヴェネタ 銀座フラッグシップ 5階 (東京都中央区銀座5-6-1)
会期:2025年6月19日(木)〜 6月29日(日)午後2時~7時
(21日(土)はイベントのため、5階イベント会場は終日クローズとさせていただきます。)
スペシャルイベント
森岡書店 森岡督行 × 詩人 菅原敏 トークイベント/朗読会
会場:同上
日時:2025年6月21日(土)午後3時~6時(招待制)
書籍情報
菅原敏 詩集『珈琲夜船』
(雷鳥社)
「皿にこぼれ落ちた黒を飲み干せ 祈るよりも歌えその波に飲み込まれ 深い底に沈む前に」
菅原敏、待望の第4作は珈琲を片手に、見知らぬ夜の旅に出る“小舟”としての詩集。 コーヒー の葉を思わせるグリーンの装丁をひらき、頁をめくれば、漆黒の海を一艘の船が漕ぎ出し、 どこか懐かしい情景が浮かぶ。詩集には、2019年にフランスのナダール賞を受賞した写真家・ かじおかみほによる、遠い記憶の断片のような白黒写真が挟み込まれる。《タンザニア》 《コロンビア》などの珈琲豆の産地を冠した詩、スターバックスWEB連載「A Cup of Poem」 からの詩ほか、全31編を収録。あとがきには文芸誌『群像』にて発表されたエッセイに加筆 修正した「珊瑚と珈琲」を掲載。
著:菅原敏 出版社:雷鳥社
刊行日:2024年11月07日 価格:2,200円 (本体2,000円+税)
参加アーティスト
菅原敏
詩人。2011年、アメリカの出版社PRE/POSTより詩集『裸でベランダ/ ウサギと女たち』をリリース。執筆活動を軸に、毎夜一編の詩を街に注ぐラジオ番組「at home QUIET POETRY」(J-WAVE)や歌詞提供、ギ ャラリーや美術館での展示、欧米での朗読公演など幅広く詩を表現する。近著に『かのひと 超訳世界恋愛詩集』(東京新聞)、『季節を脱いで ふたりは潜る』(雷鳥社)、『珈琲夜船』(雷鳥社)。
沙里(蕊 SUI scent studio)
三重県出身。香りとは、目に見えない響きに触れる音楽のようなもの— その感動から、2011年より調香の道を歩み始める。東西の香文化や技術を背景に、植物や鉱物の本質と対話しながら、記憶や風景、身体の奥行きに呼応する香りを、蒸留と調香の手仕事によってかたちづくる。2023年、長野に「蕊」を構え自然素材の抽出に基づく香水、空間演出、化粧品、お香などの制作に携わる一方、音楽・写真・料理など異分野との共創も多数。香りを、文化や感性を超えて響き合う共通言語として捉え、日常と芸術、感覚と思考のあわいにそっと余白となるような表現を探り続けている。
森岡書店
「1冊の本を売る書店」をテーマに、著者や編集者、デザイナーなど出版に関わった方々を招き、本をお客様に手渡すイメージで運営されている。店舗がある鈴木ビルは昭和4年築の東京都選定歴史的建造物であり、戦前期には、当時の出版メディアを牽引した日本工房の後進の国際報道工藝が入居していた。展覧会や音楽のコンサート、商品開発などの企画立案も行っている。
森岡督行
森岡書店代表・文筆家。1974年山形県生まれ。著書に『荒野の古本屋』 (小学館文庫)、『800 日間銀座一周』(文春文庫)など多数。GINZA SIX Podcast「銀座は夜の6時」ではパーソナリティーを担当している。