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BOMI ”さよならミゼラブル” インタビュー

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——”さよならミゼラブル”はニューアルバムに向けて以前から録り溜めていた楽曲群の1曲という解釈でいいですか?

BOMI「はい。この曲は最初にデモのトラックを聴いたときからいいなと思っていて。“iYo-Yo”以来の感触があった。これは名曲になるなと。だからこそ、絶対にわかりやすい曲にしたかったんです。BOMIというシンガーのよさ——歌も声もちゃんと聴こえるものにしたかった。だからこそ、歌詞も伝わりやすいものになることを強く意識して。ギリギリまでわかりやすい曲にしようと努めましたね。冬に出せたら理想的だなと思っていたから、できてから時間は経ってしまったけれど、いちばんいいタイミングでリリースできるなと今は思ってます」

——オルガンやシンセ、グロッケンをフィーチャーしたトラックにはクリスマスソングっぽいムードもあるし。

BOMI「そうですね。でも、どちらかと言うと、去年、プライベートでも仕事でもいろんなお別れがあった時期に書いた曲だから。だから、引っ越しして、上京する人が聴いたらグッとくると思うし、そういう意味では必然的な別れのある3月くらいにいちばんフィットするかもしれないですね」

——すごく切ない歌なんだけど、まったくネガティブなイメージが浮かばないのがいいなと。

BOMI「うん。『今はまだ進めない』って歌ってるんですけど、私自身はこの曲ができた時点で進むことができたんですよね。自分のなかでこの曲がひとつの区切りになったんです。私自身にいろんなお別れがあって、そのときにいろんな感情に混ざってすごく感謝の気持ちがあって。引っ越したばかりの何もない部屋でひとりでワーッと泣いた日があったんです。でも、私はもうそこまで若くもないし、お別れがあってそこにずっと浸るというよりは、お別れがあったからこそ絶対に新しい出会いがあるということに意識を向けなきゃいけないと思って」

——うん。

BOMI「必ずまたいい出会いがあることもわかってるから、今は寂しいけど、きっと次に行く場所に楽しいことや心躍ることが待っていると信じられる。実際に新しい出会いがあったし」

——このトラックは僕も大好きで。

BOMI「やったー!」

——サウンドと歌のバランスがこれまでと違いますよね。これまではサウンドと歌が拮抗していて、そのバランスが5対5な感じだったけど、この曲は3対7くらいで歌が際立っていて。それは海外のインディポップを意識したサウンドの美学と、J-POPの土俵でも戦える歌をどう融和させるかという意味において、僕はこれがベストなバランスだなと思ったんですよね。

BOMI「ホントにそうで。ただバランスがよすぎて逆にちょっとやりすぎたかなとも最初は思ったんです。サビがすごくキャッチーで、どちらかと言うとR&Bっぽいメロディじゃないですか」

——俗っぽくなるんじゃないかという懸念があった。

BOMI「そう、そういうことですね。キャッチーさを自分のなかでどう決着つけるかが難しくて。もともとキャッチーなものも好きは好きなんだけど」

——今までのBOMIちゃんの曲は、そのキャッチーさを歌ではなくサウンドに頼ってた気がするんですよね。サウンドから導かれるキャッチーさというか。

BOMI「うん、そうですね。リフだったり」

——でも、この曲は核となるキャッチーさを歌に任せてるから。それがすごくいいなと。

BOMI「ありがとうございます。この曲はDメロ(間奏後のブリッジ部分)のガーッって歌ってる部分って、私がトラックに対して歌って作ったメロを組み合わせたもので。やっぱり自分のなかから出てきたメロディはすごく歌いやすいですよね。今までの私の曲を知ってる人からしたらすごくわかりやすい曲だなって感じると思います。だからこそ、ホントにたくさんの人に聴いてほしいです」

——この曲はすでにライブでもやってるんですか?

BOMI「最近になって。私自身も歌いやすいし。曲に堂々としたスケール感があるから、私もそこに合わせて堂々と歌えばいいというか。この曲をテレビで歌ったらすごくハマるだろうなと思って。ライブでもそういう感じで歌ってます(笑)。それだけメジャー感がある曲ということなんですよね」

——言える範囲で1月リリース予定というニューアルバムがどういう作品になりそうか聞ければと。

BOMI「レコーディングしてから時間が経った曲ばかりだから、だんだん俯瞰で見れるようになって。そうなると、録った曲を全部アルバムに入れるのは違うなと思ったんですよ。だから、1枚のアルバムとしては厳選したほうがいいなって。でも、そこからこぼれた曲もちゃんと聴いてもらえるようなパッケージにできたらなと考えてます」

——ゲストにいろんなミュージシャンが参加してると。

BOMI「そう。そのあたりも楽しみにしてほしいなと思います。楽曲のタイプは多種多様でごちゃ混ぜな感じもあるんだけど、ここでBOMIのいろんな色を見せられたらいいなと思っていて。バラバラな1曲1曲をひとつに結ぶ仕掛けも考えてます。サウンドの傾向としてはシンセポップの要素が強くなってますね。今までは生のバンド感が前に出ていたけど、次のアルバムは打ち込みモノが増えて、クールな感じが強くなっていると思います」

——了解です。楽しみにしてます。アルバムのリリースタイミングでまた話を聞かせてもらえたら。

BOMI「よろしくお願いします。あ、お芝居も本気でチャレンジしたいと思ってますから」

——何かいい出会いがあればいいですよね。なので、それもちゃんと書いておきます。

BOMI「ありがとうございます。映画に出たいです!(笑)」

 

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BOMI

“さよならミゼラブル”

発売中

https://itunes.apple.com/jp/album/sayonaramizeraburu-single/id939519925

 

 

BOMI

2012年6月、ミニアルバム「キーゼルバッファ」でメジャーデビュー。芯の通った繊細な歌声と、緻密に積み上げた洋楽ライクなトラック、都会に生きる女の子の日常を鋭角に切り取るリリックが注目される。これまでにフルアルバム1枚ミニアルバム3枚、EP盤を1枚リリースしている。2015年1月にはニューアルバムのリリースも決定。近年の活動は音楽だけにとどまらず、CM、モデル、雑誌連載など多岐にわたる。

http://bomibomi.com/

 

撮影 田口まき/photo  Maki Taguchi

文 三宅正一/text  Shoichi Miyake(ONBU)

編集 桑原亮子/edit  Ryoko Kuwahara

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