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藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#20 断捨離

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すでに定着した感のある「断捨離」。
知的で、お洒落な感じさえする暮らしの整理整頓メソッドだが、その一般的な意味は、不要な物事を捨てたり省いたりすることで生まれる住空間・精神空間のフリースペースにより、本来の自分を見つめたり、回帰できるという恩恵を受けられる、といったところだろうか。
自分もこの断捨離を生活に取り入れていて、定期的に、本、服などを中心に整理し、捨てている。
実際経験済みの人ならよく分かると思うのだが、机上や引き出し、物入れ、ワードロープ、倉庫などの混沌が解消されるに従って、心が落ち着き、晴れやかになり、高揚感すら覚える時には、断捨離が生活の洗濯なのだと思えてくる。
捨てる作業は、火がつけば快楽に近く、とても大切だと思って残しておいた物が手元から離れていくのは、過去と決別し、新しい自分を迎えるようで、瑞々しい気持ちにさせてくれる。それはリセットというボタン操作の響き以上の何かがあると思う。
捨てることで、生まれ変われるようだ。
だが、捨てる基準を定めるのは、言うほどに簡単ではないのも事実だろう。さあ、断捨離だと張り切ってみたものの、ゴミ袋がいっこうに膨らまないまま、がっかりした経験を持つ人も多い。
いったいどこまで捨てればいいのだろう?
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