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THE OTOGIBANASHI’S『BUSINESS CLASS』インタビュー

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――NYには制作途中で行ったんですか?

BIM「いや、NYに行く前に俺が何もできなくなっちゃったんです。音楽を始めてから2、3年しか経っていないのに生意気って思われるかもしれないですけど、ビートを作っても面白くないし、クラブとかに遊びに行ってもつまらなかった。だから、クラブに行くよりも家で音楽聴いたり、映画観たり、ボーリングしたり、美味い飯を食いに行ったりしてましたね」

――もしやスランプだったんじゃないですか?

BIM「『スランプ、早っ!』みたいな」

VAVA「一日けっこう遊んでる時間が長かった」

BIM「 HeiyuuとVAVAくんがルームシェアしている部屋でよく遊んでましたね」

――うんうん。

BIM「自分の知っている範囲で何かを探しに行ける場所はもうとりあえず行っちゃった気がしていたんだと思いますね。その時期に、Akeem the Dreamさん(『BUSINESS CLASS』収録“機内モード”に参加)と飲むとすげぇ楽しくて、NYの話にもなったんです。それで、NYに行くことにしたんです。普段の生活をしながら、USのラップのPVや映画でも観ているヒップホップの聖地的な場所よりもソーホーみたいな自分が探して辿り着く場所じゃないところに、何かをより強く感じましたね」

――そういう経験があったから『BUSINESS CLASS』は旅のフライトをテーマにしたんですか?

BIM「でも最初から旅をテーマにしようと考えて作ったわけではないんです。1曲1曲のテーマもバラバラですからね。ただ、スキットやイントロを作って、俺とIN-Dとパル(PalBedStock)で歌詞を書いているから最後は辻褄が合うんです。『TOY BOX』はジャケが部屋で、インナースリーヴを開くと島のイラストが載っていて、それぞれの島がアルバムの1曲1曲になっているという物語だった。だから、今回の作品はその続編でそこから飛び出して自分のやりたいことを探しに行くというテーマにすることで上手く落ち着いた感じです」

――『BUSINESS CLASS』というタイトルの心は? 

BIM「“エコノミークラス”の俺の歌詞に「狭すぎエコノミーでも先頭は足伸ばせるのさ(ノーダウ)」というのがあるんです。タイトルは『BUSINESS CLASS』ですけど、もちろん俺らは金が無いからエコノミークラスで行ったんです。当然キツかったんですよ。12時間も乗ってたし、VAVAくんの足はめっちゃ臭いし。それなのに、同じエコノミークラスでも先頭の席の人は脱出口の前だから空間が広いんですよ。同じ金額を払ってるのに、「俺はこんなにキツいのに、お前はキツくないじゃねえか」と思ってしまった。もちろん、ビジネスクラスはエコノミークラスよりも設備はかっこいいし、CAの対応も良かったりする。でも、そこから少し飛躍して、同じ金額でも自分の選び方次第で、自分が楽になったり、楽しいことできたりすると考えたんです。例えば、俺は元々、誰かが2万円で買ったリュックよりも自分が1000円で買ったリュックの方が絶対にかっこいいと考えるタイプなんです。飛行機の中でも同じように考えたんですね。例えば、俺らのいまの状況では何千万円もの資金を使って、豪華なPVを作ることはできない。けれども、友達とチームやタッグを組んでタダでやったとしてもアイディア次第で俺らにしかできない表現ができるはずだと。俺らはエコノミークラスにいるけど、ビジネスクラスみたいな遊び方をしたいという気持ちでこのタイトルを付けたんです」

 

THE OTOGIBANASHI’S “ピザ・プラネット”

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