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text by Ryoko Kuwahara
photo edit by Ryoko Kuwahara
photo by Shuya Nakano

#BFF Niky Roehreke × wagashi asobi interview

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Niky「wagashi asobiさんで販売されているのは2種類だけど、HPのアルバムにはいろんな和菓子が載っていますよね。あれは特別にオーダーされたものなんですか?」


稲葉「そうですね。先ほどの話にも通じますが、僕と浅野がそれぞれベストな和菓子を1点ずつ出したのが羊羹と落雁。その二つで販売経路も絞り、この街に来ていただくための動機となるような名物となりたいというのが自分たちのやり方です。なので、それ以外の創作的なお菓子はあまりお受けしていません。それでも作るのは、例えば、地元の方から定年退職の御礼にしたいと何ヶ月も前からお願いされていたもの。『信託銀行で働いているので、信託をテーマにしたい』というお題をいただき、島根県の出雲出身で、定年退職されたら奥さんと戻られるというお話だったので、出雲の酒と出雲の桜の花の塩漬けで作った生地とあんこを使って、信じて渡してるような形をした和菓子を作りました。お酒は栄えるという語源もあり、清めるものでもある。信託とはお互いに栄えていくためのお仕事だろうし、嘘偽りのない清らかなものであると考えお酒を用いました。醸して香りが開く、花が開くというダブルミーニングなどを考えて作りました」


Niky「深い。やっぱり和菓子はすごい」


稲葉「僕じゃなくてもいいようなものは作りたくないので、最初から『お任せいただく条件で作ります』とお伝えしていて。何回もインタビューを重ねて、人柄やいろんな情報を集めて小さい一個のお菓子に落とし込む。想像を越えるようなものを作れるように一ヶ月はもらいます。そうして作っても、その方の会社に対する感謝の気持ちには及ばない。それでもご依頼を受けたのであれば精一杯作ることで、いろいろ繋がっていったら面白いかなあって。そういうものの積み重ねがあのアルバムです」


浅野「出雲の桜、綺麗ですよね」


稲葉「マカロンと和菓子は着色料が入ってるとカラフルで喜ばれるんですよ。でも他の食べ物は色素が入ってたらみんな嫌がるじゃないですか。桜の和菓子とうたっていても桜から持ってきてなかったりする、そういう加工はそろそろバレるんじゃないかと思って。バレたらみんな和菓子から離れるかもしれない。その前にもっと嘘偽りない天然の素材で作っていたいんです」


Niky「嫌かもしれないですけど、やっぱりアーティストですね(笑)」


浅野「こういうのは嫌じゃないです(笑)」


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