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藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#50 冷えとり

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日常生活に常なる擬似半身浴状態をもたらしめる靴下重ね履きというわけだが、その本元である入浴時の実際の半身浴も勿論推奨されている。
 これは「冷えとり」とは別に半身浴健康法として既によく知れ渡っていることだろう。バスタブでの半身浴中の手持ち無沙汰を解消するための読書棚や、防水スマホ、防水スピーカーなどは、実際便利だし、半身浴での読書は私も既に好きな時間のひとつである。体は芯から温まり、汗をたっぷりかいてすっきりするので、排毒が実感できる。ただ忙しい平日には、推奨されている20分以上の半身浴はなかなか難しく、その効果を知りながらも毎日というわけにはいかないのが多くの人にとっての現実ではないだろうか。
 「冷えとり」では、半身浴の直後に、まずは靴下をしっかり重ねて履き、次に下半身を十分に保温するために厚手のパジャマなどを重ね、上半身は薄着になって、ベッドに入る事を良しとする。可能ならば、湯たんぽを足元に置き、就寝中も穏やかな半身浴状態を保持しようというわけだ。
 そこまでして足を温め続けなくてはいけないのか、とその徹底ぶりに驚き感じざるを得ないが、長年の経験によって培われた知見ゆえなのであろうから、ここは徹底してやってみた方がよさそうだ。
 とはいえ、何事もお試し期間があってもいいはずだ。まずは半身浴と就寝時の靴下重ね履きと湯たんぽくらいから始めるのが簡単そうだ。靴下は推奨されているのは、まず地肌に五本指の絹を履き、その上に綿を重ねていくのだが、あいにく絹は持ち合わせていないので毛と綿の混紡もので間に合わせることにした。湯たんぽは既に持っていた。
 もともと、ストレスが高まると匂いの強い汗などで排毒できていたので、今回に限ったことではないのだが、起床時の部屋はいつもよりも匂いが強いような気がした。寝つきと目覚めも最近の中では良かった。全てが冷えとりのおかげなのかは分からないが、少なくともしばらく続けてみようかという気にさせられる結果だった。


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