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デヴィッド・リンチの寵愛を受けるNYの3ピース、Au Revoir Simoneが語る音楽、ファッション、そしてクリエイティヴであること(後編)

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この冬いちばんの寒気に見舞われた1月の上旬。4年ぶりの来日公演のために日本を訪れたブルックリンのエレクトロ・ユニット、オウ・ルヴォワール・シモーヌの3人に話を聞いた。優艶な音色と歌のなかに“夜”の気配もたたえたニュー・アルバム『Move In Spectrums』について。ミナ・ペルホネンやagnes.bとのコラボレーションでも有名な彼女たちが思う、ファッションと音楽の関係について。そして、去年で結成10周年を迎えたバンドの、“これまで”と“これから”について。作品やライヴの印象ではミステリアスな雰囲気も漂わせる彼女たちだが、目の前いる3人は、よく笑う、快活で聡明な女性だった。

 

(中編より続き)

ーあなたたちは去年で結成10周年を迎えました。これから将来、クリエイターやミュージシャンになりたいっていう人たちのために、音楽をやっていこうと思った時のことや、バンドを始めた時のことを振り返ってシェアして頂けますか?

エリカ「最初はバンドっていう形じゃなく、単なる‘キーボード・クラブ’というか……趣味程度のものだったのね。仕事の後に皆で集まって、ミュージシャンとしての腕を磨く……みたいな軽い感じで。でも、曲作りが楽しすぎて、皆でその気になってきちゃって、ライヴに友達を呼ぶようになったりして、私たちのライヴを見たいって人も増えて、それに応えてショーの回数も増やしたり……そうやってすべてがスタートしたの。ただ、やっぱり当初はクラブをやっているだけって気持ちだったな。そんな中で、ポピュラーになっちゃったのよ」

アニー「まだ演奏がまあまあだったり、時には酷かったりしても、人気が出ちゃったんだよね(笑)」

エリカ「酷い演奏だったのに、なんであんなに気に入ってもらえたのか分からなかったわ(苦笑)」

アニー「エリカはいつもそう言っていたけど、当時の私はドラマーがいないバンドということで珍しかったんだよね。メンバーは全員女性で、ステージでは並んで演奏するし、沢山のキーボードを使っていたし……。普通じゃない感じがあったのかな」

エリカ「いまはすべてエレクトロニックっていうスタイルも普通になってるけど、2003年当時はとても珍しかったよね。だから、きっと皆が私たちのサウンドに好奇心を持ってくれたのね」

ヘザー「私たちとホットチップくらいだったんじゃない?」

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