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デヴィッド・リンチの寵愛を受けるNYの3ピース、Au Revoir Simoneが語る音楽、ファッション、そしてクリエイティヴであること(後編)

—いまでも働いているの?

エリカ「フルタイムじゃなくてパートタイムだけどね。ツアーもやっているから」

アニー「私のボスはすごくナイスなのよ。基本的に私たちのファンだから、理解してくれているのよね(笑)」

 

ー昔は音楽だけで食べていくという将来を思い描くことができたかもしれないけれど、いまの状況では現実的にかなり厳しいし、そこは最初からあきらめている……という認識は、日本でもインディーで活動する若い世代のバンドにはあるように思います。ただ、音楽を仕事にするのではなくて、別にほかの仕事を持つことで、逆に音楽が自由にできるという、じつはいい面もあるんじゃないかというのを、皆さんの話を聞いていて感じました。

エリカ「それはいいことよね。レコード会社から、こういうサウンドの曲をやれとか、こういうイメージでやれとか言われることもあるかも知れないけど……そのスタンスの方が自由にできるからね」

—アメリカではどう?

エリカ「同じだと思うわ。それから、昔と大きく違うのは、私がソロ・アルバムの曲をほとんどラップトップで作ったように、レコーディング費用で毎日1000ドルも使わなくてもよくなったし、アーティストがよりインディペンデントになったよね。自宅でレコーディングができるワケだし、レコード・レーベルがなくても曲を発表できるし。あと、BandcampってサイトやYouTubeで有名になるケースもあるよね。バックに会社がついてなくても、いいバンドならたくさんの人に気に入ってもらえるチャンスがある」

アニー「確かにホーム・レコーディングのおかげで、色々とラクになった。このアルバムを作り始めた時、プロデューサーの人がプロフェッショナルなサウンドにしようとしたけど、私たちは『ノーノー! ラップトップで作ったデモみたいなサウンドにしたいの!』って言い続けてたもんね(笑)。とにかく、テクノロジーはたくさんの人々にクリエイティヴになれる機会を与えたってことかな」

エリカ「オーディエンスやファンも、そういうインディペンデントなサウンドを好んでいると思うわ。売れ線の音楽ではなくて、アーティスト自身が楽しんでいるサウンドをね」

ヘザー「その通りだと思う。カニエ・ウエストやビヨンセですら、インディー・ミュージックからの影響を受けているのがわかるものね」

ーバンドにとっては今年から新しい10年が始まるわけですが、これからの目標や思い描いているヴィジョンはありますか?

ヘザー「とりあえずは今をエンジョイしているわ」

アニー「バンドの目標はあまり考えたことがなかったなぁ(笑)。でも、エリカやヘザーと一緒にいれることは、私にとって最高なことだから、この先10年、20年先も同じ感じでいたいな」

エリカ「アルバムのリリースから1年間は、そのアルバムのプロモーションで収録曲をステージで演奏することになるから、ライブそのものが私たちにとってのチャレンジでもあるかな。2月にはヨーロッパ・ツアーがあるし、3月から夏まではブロークン・ベルズのUSツアーで前座が決まっているしね。だから、これからも作ったアルバムをステージで再現し続けていくわ」

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