© ADRIEN DIRAND
10月1日にパリ・チュイルリー庭園で発表された、ジョナサン・アンダーソンによるディオールのコレクションは、伝統に深く共感し再解釈することで、メゾンの言語を解読しようとしている。
ジョナサン・アンダーソンは、アーカイブのリファレンスを独自に解釈し、そこからインスピレーションを得た。永続的なコードであるリボンは、ピンチフロントのコートやドレープの効いたコットンドリルのミニスカート、ふんわりとしたレースのドレス、「ディオール シガール」トップハンドルバッグなどに、あらゆる形で採用された。
シュリンク加工を施した「バー」ジャケットには彫刻的なボリュームが加わり、スリムで波打つようなケープやボリュームのあるショートパンツなどは、6月に披露されたデビューコレクションや、ディオールのオートクチュールで知られるスタイルとの共通点が見て取れる。
その結果、魅力的な緊張感が生まれ、さまざまなポーズや自己表現が可能に。ルカ・グァダニーノとステファノ・バイジが手掛けたシンプルなショースペースは、デジタルと物理的空間を融合させている。ドキュメンタリー映画監督アダム・カーティスが特別に制作した映像作品を通じて語られるように、逆さ吊りになったLEDのピラミッドに映し出されたブランドの歴史は、ゲストの目の前で瞬くように過ぎ去り、まるで魔法のようにディオールの靴箱へと収束していく。それは記憶のように再び呼び起こせる、蓄積された過去の象徴だ。
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クリスチャン ディオール
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