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藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#5 植物

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 話がちょっと膨らんでしまったが、植物やエネルギーを交換することについての、自分の習慣を一つ。
 これも大したことではないけれど、
季節と天候が良ければ、日の出の時間には、庭を裸足で歩くことにしている。
 我が家の庭には、背の低い雑草が生い茂り、朝露を乗せた若草の柔らかさは地球の産毛のようで、その優しさを足裏に感じながら、ゆっくりと歩く。
 気配を感じて見上げれば、庭の端には十メートルを超すモクマオウが四本、細い枝を揺らせながら私を見下ろしている。
 裸足から草を、土を、大地を、地球を感じ取り、頭頂部で空のさらに上にある宇宙を感じるイメージを持ちながら、しばらく歩く。五分の時もあれば、三十分ほど歩くときもある。
 裸足で草の上を歩くことは、そんなに難しいことではない。都会でも公園にいけばできる。日の出の頃とは言わなくても、休日の午前中に裸足で公園を歩くといい。深く息をとりながら、頭を空っぽにして歩く。気が向いたら草木に話しかける。さらに気が向いたら、世界を癒したいと願ってみる。
 きっとその休日は、新しい友達と本当の癒しを与えてくれると思う。

 
                               (つづく)
 

※『藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」』は、新月の日に更新されます。
「#6」は6月27日(金)アップ予定。

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