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藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#7 海水浴

7060013

 

そうなのだ、陸に比べて海の方が安定していると聞く。いずれ私達は海へと戻った方がいいのかもしれない。陸から海へ。そして、陸から空へ、宇宙へと、人間も人間の形を脱ぐときがあると確信している。あたかも東京からリオデジャネイロへの引っ越しのごとく。
そんなことまでたかが海水浴から想いを広げる必要は全くないけれど、海が、波が、洗ってくれるのは、誰もが感じていると思う。夏休みは帰省の季節。海という生物の故郷に帰省することも、今年は意識してみたら楽しさが増えると思う。
海をくぐって、竜宮城に行って、海の仲間達に心を向けて、カロリー低めのかき氷に、きんっと頭の芯を冷やす。
気づけば、とっても綺麗になっているはず。人間の美しさは、心の美しさのこと。心の澱、疲れ、不安、迷い、などなどを中元の空き箱にでも詰めて海へと持参し、そっくり流してもらいましょう。
きっと海水浴の心身への効果は、科学的にもデータがあるはずだけど、感覚的に確認済みなので、敢えて調べてません。良い効果ばかりだと思う。人間の血液の組成、子宮の羊水の組成は、海水と類似しているらしいです。
夏に、海に入れば、もしかしたら次の夏まで一年分の潤いを、その潤いをキープするメンタル的なコツをつかめるとも思う。疲れたら、深呼吸して夏の海の中にいることを想像するだけで、その疑似体験が、心身を冬の日にも癒してくれるはず。
なので、実体験を仕込みに海へ。
海に馴染んでいる人は、優しい。優しい人は、本当に美しいと思う。
(つづく)
※『藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」』は、新月の日に更新されます。
「#8」は8月25日(日)アップ予定。

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