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世界はいつだって私たちのもの!女性目線で楽しむ第28回東京国際映画祭

 

 

LAのLGBTが自分たちなりのファミリーと過ごす聖夜

 

『タンジェリン』(2015年、アメリカ)

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(c) Tangerine Film, LLC

 

ロサンゼルスはハリウッドを舞台に、トランスジェンダーの二人が繰り広げるドタバタコメディードラマ。

 

夏のように暖かいロスのクリスマス・イブ。ブロンドのカツラを被ったシンディと黒毛を被ったアレクサンドラ。二人は売春婦であり、大の親友。シンディは恋人の浮気相手をとっちめようと街中を駆け巡り、歌手を夢見るアレクサンドラはカフェでのライブ出演にドキドキ。

二人の大事なイヴの夜、結末は果たして……!?

 

 

 

今年、アメリカ全州で同性婚が法的に認められたこともあって、まさにタイムリーなLGBTを真っ向から捉えた本作。そればかりか、全編をiPhone 5Sで映像撮影したり、エキストラたちの大半が実際にその街で娼婦として暮らすリアルな人々であったり、とにかく話題だらけ。

つまりこれはフィクションでありながらも、限りなく現実に近い登場人物たちと、彼女たちにリアルな動きをしてもらうために最善のサイズ感と動作性を兼ね備えたiPhoneをカメラにした、ドキュメンタリーに近い新感覚の映画。

日本でクリスマス・イヴといえば、恋人同士で過ごす聖なる夜。だけど欧米では家族と過ごす一日。そんな大切な日にドタバタに巻き込まれていく二人ですが、ヘンテコながらも集った人々はみな〝切っても切れない縁〟で繋がれています。

生まれ持った家族ではなく、自分たちが見つけた〝ファミリー〟と過ごすイヴの夜。それは自分たちなりのやり方でストリートを生きると決めた彼女たちの意志を象徴づけていたのかもしれません。

 

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