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世界はいつだって私たちのもの!女性目線で楽しむ第28回東京国際映画祭

ワンカットが見せる人生と運命のイタズラ

『ヴィクトリア』(2015年、ドイツ)

VICTORIA

 

(c)Matchfactory

人生と運命のイタズラに翻弄される女性の20分間を描いた『ラン・ローラ・ラン』を生んだドイツはベルリンから、またしても疾走感あふれる最新作が誕生しました。

 

スペインからベルリンに移住して三ヵ月の若い女性、ヴィクトリアは現地の友達を見つけるためにも、日夜クラブで踊り明かす。ある晩、四人の青年と偶然知り合い、やがて彼らが引き金となって犯罪に巻き込まれていく。

青年たちとの出会いから衝撃のラストに至るまでの140分間を、なんと脅威のワンショットで捉えた本作。

脚本は12ページのみ、大半の会話はアドリブ。午前四時半から七時までという夜明けのあいだに撮り切ることを条件にしたストーリーはもはや実現不可能な響きさえありますが、脅威の三テイクで撮り切ったのだそう。

青春を謳歌する若者たちが運命の歯車によって犯罪に巻き込まれていく過程が途切れることなくワンカットで描かれることによって、観客であるはずの私たちもいつの間にか、その一員として一喜一憂を共にしていることに気づきます。

 

冒頭でピュアなイノセンスをふりまくヴィクトリアが犯罪に巻き込まれていくなか、徐々にしたたかさを発揮し、か弱くも機転を利かせて生き抜こうと奮闘する姿には誰もが元気づけられるはず。

脚本重視の作品が多いなか、役者の感情や行動が織り成すドラマ性に大きく重きを置いた本作は実にユニークかつ爽快といえるでしょう。しばらく映画を観ていないという貴方にもきっとオススメの一本。

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