「好きなものや憧れを“超えていく” 年にしたい」
———菅田さんにとって2015年は大躍進の年となりました。改めて振り返ってみていかがですか?
菅田「今年はコスプレに近いくらいに、とにかくいろいろな演技や役柄に挑戦させてもらいました。衣装合わせも楽しかったですし、出来上がったものをご覧になった方の感想も一人一人まったく異なっていて、そういった反響の面でも面白かった。そういえば、この前、バラエティ番組で『菅田さんの印象を街で聞いてみました』という企画があって、最も多い印象でも割合としては全体の10パーセント程度の低い値だったんです」
———それだけイメージが固定化されていないわけですね。
菅田「そうなんです。明るかったり、暗かったり、チャラかったり、ナルシストだったりと、見る人によって全く違ったイメージで受け取られているという。僕としてはその結果が嬉しかったですね。今後、役を演じる上でもやりやすいですし、常にフラットな立ち位置にいることができるので」
———2016年の幕開けです。本年の抱負をお聞かせください。
菅田「2015年は個人的に音楽イヤーでもありました。実在の尊敬すべきミュージシャンを演じたり、弾き語りを披露したり。そんな中で自分の憧れているものや人物を、ただ崇めるだけではいけないなって思うようになりました。例えば福田(雄一)監督の作品で俳優のムロツヨシさんとご一緒した時に、「うわっ、この人、面白いな!」と思わず身構えたんです。役者としてそれではダメで、こっちはこっちでしっかり応えていかなきゃいけない」
———なるほど。
菅田「この前、仲間と喋っていた時、ミュージシャンの方々のお芝居の凄さの話になりました。銀杏BOYZの峯田さんや、星野源さんの、とてつもないパワーがあって、なおかつ演技に生き様が見えて、本当にすごい方たちです。でも、その時に、ふと思ったんです。そういう方々の才能にジェラシーを感じるのはもうやめにしよう、って。僕らだっていろいろな種類の役をこなしてきているのだから、負けるはずはない。それくらいの気持ちを持って、2016年は好きなものを好きな対象のまま留まらせず、むしろそれを“超えていく”ことを僕の大きな目標にしたいですね」
撮影 中野修也/photo Shuya Nakano
取材・文 牛津厚信/interview & text Atsunobu Ushizu
企画構成・編集 桑原亮子/edit Ryoko Kuwahara
『ピンクとグレー』
2016年1月9日(土)全国ロードショー
出演:中島裕翔 菅田将暉 夏帆 岸井ゆきの 宮崎美子/柳楽優弥
監督:行定勲 脚本:蓬莱竜太・行定勲 原作:加藤シゲアキ「ピンクとグレー」(角川文庫)
音楽:半野喜弘 製作:「ピンクとグレー」製作委員会
配給:アスミック・エース
(C)2016「ピンクとグレー」製作委員会
http://pinktogray.com
公式Facebook: :pinktogray
公式Twitter:@pinktograymovie
【STORY】
大人気スター俳優・白木蓮吾が、突然、死んだ。
第一発見者は幼い頃からの親友・河田大貴。蓮吾に何が起きたのか?
動揺する大貴は、6通の遺書を手にする。遺書に導かれ、蓮吾の短い人生を綴った伝記を発表した大貴は、一躍時の人となり、憧れていたスターの地位を手に入れる。初めてのキャッチボール、バンドを組んで歌ったこと、幼馴染のサリーをとりあった初恋…。
いつも一緒で、いつも蓮吾が一歩先を進んでいた―。輝かしい青春の思い出と、蓮吾を失った喪失感にもがきながらも、その死によって与えられた偽りの名声に苦しむ大貴は、次第に自分を見失っていく。
なぜ、蓮吾は死を選んだのか?なにが、誰が、彼を追い詰めたのか?
蓮吾の影を追い続ける大貴がたどり着いた“蓮吾の死の真実”とは―。
芸能界の嘘とリアルを現役アイドル加藤シゲアキが描いた問題作を、『GO』『世界の中心で愛をさけぶ』の行定勲が、映画初出演・中島裕翔を抜擢し、映画化。
幕開けから62分後の衝撃。ピンクからグレーに世界が変わる“ある仕掛け”に、あなたは心奪われる―。