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OKAMOTO’Sニューアルバム『Let It V』ロングインタビュー (中編)

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ショウ「“SEXY BODY”も”JOY JOY JOY”も、一番伝わりやすいと思ってこういう言い方をしていますが、やっつけで作ったということではなくて。純粋に曲を作る、演奏するという中で、レベルを下げるという事は全く通用しないんですよ。思っても作れない。好きなものしか聴いていないし、好きなものしかやってないし、その中でいろんな感性を総動員してああいう楽曲を作ったのですが、それは原理主義的なやり方の何倍も難しかった。そういう意味で俺はこの2曲を愛してるし、アルバムに収録されてそれがなお良く聴こえているのは良かったなと思います。歌詞も、今話したような葛藤を経て出来たものなので。誰かに今話しているようなことを伝えたい、それこそ世の中もう少し変らないかなという気持ちや、バンドのメッセージや歌詞として書きたいこともできたので、曲もそこに向かっていく。そういう意味で言うと、やっと書きたいことがあるボーカリストになれました」

—そうですね。全体的に尖った歌詞になっていて、メッセージが明確になっている。あと、ボーカルが随分変わりましたよね。自分の声をしっかり聴いて、向き合って、色々やってみたんだろうなって。

 ショウ「前作で初めて歌のテイクに関する考え方が変わって、自分で色々試してみて分かったことをちゃんと持ち越せた感じがあります。よりどうやって歌おう、この曲ならこうやって歌った方がいいななど、そういうことを岸田(繁/くるり)さんに相談してみたりしました」

—ああ、“HAPPY BIRTHDAY”での歌い方も良かったですね。

ショウ「あのトリッキーな、ロックっぽい裏声になる感じは俺のアイデアなのですが、歌全体の表情としては、岸田さんに『歌詞のことをもっと思いながら歌って』ということを言われて学んだこともありました。あとどの曲の歌詞も今の自分たちに響くことが多くて。自分で書いたくせに面白いくらい『あるよねー!』ということが多くて、そういう歌詞が書けるようになったのは本当に良かったです」

—本当に心の底から出ている言葉だから、余計にシンクロして歌えるようになったんですね。

 ショウ「そう。バンドの気持ちにもリンクしている歌詞なので、独りよがりという感じもないですし。インタビューで何を話していくかも含め、色んな伝え方や手段を4人で考えられるようになったおかげで、逆に俺は曲を作ることや、レコーディングなどのピュアな、もっと内側の部分へより力を注げたんです。

最初の方は全部に一人で立ち向かうという気持ちだったことが、4人で色んなことを乗り越えたおかげで、全体のクオリティも良くなったし、こうやって発言していくことも含めてバンドとしてのあり方も変わっていくんじゃないかと思っています。

これが絶対に新しい一歩だし、前作からの架け橋として何かに繋がる一枚になると思っていて。この作品のおかげで『俺らみたいなバンドは売れなきゃいけない』という使命感がものすごく強くなったし、ここからまた色々挑戦していく予定ですが、その第一歩として相当いいものができたなと思います」

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