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OKAMOTO’Sニューアルバム『Let It V』ロングインタビュー (前編)

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—いやいや(笑)。みんなの意識変革もあったと思うんだけど、デモを作る段階でショウくんが果敢にチャレンジしたのも本当に大きい。どうやってここに行き着いたのかすごく興味があるので、まずは前作からの過程を教えてもらえますか。

ショウ「同じ方向を向けたと感じてもらえたのは正しくて。前回のアルバムでは、『みんなもこっちに来て、お願い』みたいな感じで俺の見ていた景色に呼び込んで来てもらった感じなんですよね。そこから次は自分でもアルバムの全体像を見えないまま作っていたのですが、前作は超えなきゃいけなかった。そういう状況で、俺が書いたものに対してだったり、そもそもゼロからでも、『こういう曲がバンドにはいるよね』、『こういう歌詞の方がいいんじゃない』など、4人で話しながらできたというのが大きいです。前作がきっかけで4人で漸く前を見て制作に向き合えるようになりました」

—なるほど。これまでと全然違うリズム隊の活かし方になってるのはそういうことも関係しているのかな。そもそもデモはどういうものだったんですか?

ハマ「デモは、引き続きショウの弾き語りとある程度のオーバー・ダビングみたいな声ものが多くて、それにドラムやベースラインが入ってるという進化があったわけではないです。でもさっきショウが言ったように、4枚目で漸く作り方が完成したというか。前作で、ああいう風に作ったらこういう作品ができるという事を証明できた分、改めてショウが作って来る楽曲に対して入りやすくなったし、スケッチしやすくなった部分がありました。

今回アルバムの候補曲を2日で25曲録って、その中から最善のものを選ぶという今までになかったクッション作業ができたというのも大きいです。惜しまれつつ捨てた曲も沢山ありましたし、下準備する時間もあった。1曲に対してどういう風に各々がアプローチしていくのかというのをちゃんと考える時間があったからそういう風になったのかなと思います」

ショウ「確かに前回はアルバムに必要だと思って書いた曲を余すことなく使っているんです。それに比べて今回は、何があっても大丈夫なように、全曲が前作を超えるクオリティで作ったうえで選んでる。そこでの曲のクオリティの高さもありましたし、バラエティもあって。みんなが選んだ曲を収録しているので、みんながアルバムとして見えているし、漸くそういう意味での余裕も生まれてきたと思います」

—前作もショウくんは1日1曲は書いていて、仕上がった曲は少なくてもストックは沢山あったはずですよね。今回もそのペースを落とさず書いたんですか?

ショウ「相当作りましたね。ただ一個、前作では自分の中で禁じ手にしていたものがあって。例えばリズムはやっぱりロックバンドらしくしたいから、いわゆる四つ打ちは違うよねと思っていたり。あとはメロディがポップス寄りでもブルース進行にしていたり。そのブルースマナーに則ったうえで最大限にロックファンでない人にも分かるメロディを作るという、範囲を狭めた中で最大限までいってみていたんです。

でも今回はそれをとっぱらって、いくらでも可能性がある中で、じゃあどういうの楽曲がいい曲なんだろうということを求めてみた。みんなが言うロックとは何なんだろう、俺たち4人の中心にあるのはどういう曲なんだろうという想いで作ったんです」

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